「こんな店が近所にあったら困る!」

大阪では、品質重視の個人店でさえ、ついこんな本音が出てしまう。㈱フランス屋本部は、年商30億円程の大手でありながら、品質は徹底している。また、環境への負荷が少ない溶剤や材料を使うのが会社の信条で、フッ素をいち早く導入して、日本で初めてウエットを含む全品即日仕上げを始めた会社としても有名である。

2年程前、ロイヤルトーンドライシステムの導入を推進したのが、特殊技術開発や品質指導を担当する前田長氏だ。入社以来21年、様々な分野の仕事をこなし、機械保全の国家資格や職業訓練校の指導員免許まで制覇した努力家だ。革に関しも、自社処理の必要性を感じ、時間をかけて自分の足で各地を見て回り、環境にやさしく品質や作業性が良いロイヤルトーンドライシステムにたどり着いた。彼の前向きな姿勢は、始めて僅か2年足らずで、年間5,000点を達成せしめ、皮革分野の売り上げも2,000万円に届く勢いだ。しかし作業は現在、革の知識などまるで無かった主婦のパート従業員が、ほぼ一人でこなしている。ロイヤルトーンの化学力が全てをカバーしている証である。