中京地区の中年と思われる、品の良い女性から電話を頂きました。大切にしているカシミヤコートを、初めてクリーニングに出したところ、独特の風合いが失われ、縮んだようにペチャンコになってしまったそうです。大型店のデラックスのクラスで依頼したのに、と落胆した様子でした。何か調べられないかと、業者向けではありますが、私どものHPをご覧になり、内容をすぐ理解されて、連絡を頂きました。一般的にどこのクリーニング店でも、カシミヤは特別(料金)扱いされますが、洗う溶剤は他のものと同じ、溶剤の脱脂力がカシミヤ本来の脂分と栄養分を消してしまいます。この手法で洗った後、静止乾燥や仕上げを丁寧にして「差」をつけても、カシミヤは硬くなってしまいます。でも、その女性にこう答えました。「ロイヤルトーンで洗えば、洗いと同時に天然型の動物性脂分と栄養分が得られ、糸に空気だまりが復活して、本来の軽くて暖かいカシミヤに戻ります。」と。事実、過去にクリーニング業者の方々から、同様な『弁償しろ!』とまでお客様に言われた「硬くてペチャンコになったカシミヤコート」を復元して差し上げた実績が、多数あるからです。

周りを見れば、個人店は無くなり、大手の安売りチェーン店ばかり。「大切にしているものを、一体どこに出したらいいの?」とお客様は困っています!でも、クリーニング業界は丁度村のようなもの、村内でしか情報交換をしない傾向な為、あっという間に、お客様の世代が変わり、着る物や価値観が変わっても、相変わらず○○セールです。ここの所の二極化で、高級品や特殊品が増え、これらをクリーニングに出したいお客様のフラストレーションがピークに達しようとしています。