月別アーカイブ: 10月 2013

安売りは誰でも出来るが儲からない!

街のクリーニング店も、個人経営が激減し、大手の集中工場+直営店舗網が幅を利かしています。しかし、どの店も低料金のアピールばかり。低料金競争の為にはコストカットと材料をけちれば、洗いの品質が落ち、人件費を削れば良い人材が逃げ、機械のメンテもおろそかになり、経験の浅い女性パートだけの作業は、更なる品質の低下を招いています。需要が多かった頃は、薄利多売も成立しましたが、需要が減って今の様なオーバーストア(供給過剰)では、どう考えても薄利小売、利益が出ません。また生産原価を無視しての料金競争や、過剰設備で多額の負債を抱えて倒産するケースも目立つようになってきました。

10年先行く米国CL業界ですが、まさに10年前に米国の当時のIFI(研究機関)が警告した事が、今の日本のCL業界の現状のような気がします。米国では80年代以降、白人経営者が工場を居抜きで売り始めると、それを買った素人経営者は、現場のパート従業員達に仕事を任せ、単なる「金儲け」をするようになりました。丁度10年ほど前、増加した素人経営者達は、市場の縮小を恐れ、多店舗化と低料金競争を激化させて行ったのです。その結果、警告から8年後の2011年秋の情報では、2011年までの5年間で4,000社も倒産し、生き残り業者も軒並み30%売り上げを落とすという散々な結果になりました。そのIFIの警告とは、『安売りは自殺行為、絶対にするな』というものでした。カジュアル化のエスカレートもあるかも知れませんが、カナダやヨーロッパでは、クリーニング店(業)が消滅した街がいくつも見られます。悲惨です。何も対策を講じないと、先はバラ色ではありません!

賢者は歴史に学べ

上述の米国における多店舗低料金競争のCL業者は、殆ど低品質です。米国ではピークの70年代でさえ、洗いも仕上げ(プレス)も利用者の求めるものではなく、当時の機械屋の提案通りの、女性パートによるドライ→タンブラー乾燥→人体プレスという、CL業者がやりやすい画一的な(センイに合わせた品質良いクリーニングとはかけ離れた)流れ作業が一般的でした。ですからそれを居抜きで買った後継経営者達も、引き続き同じレベルの品質に疑問を持たなかった訳です。

しかし、こんな軒並みダウンの米国CL業界でも、利益を上げている業者もいます。それは利用者のニーズをとらえたやり方。米国でも利用者の二極化が顕著で、低料金なら低品質でもOKという層には、徹底したコストカットでの低料金コース。例えば、シミや水溶性の汚れが残っていてもドライのみ、仕上げはスチームトンネルのみで1点200円ほど。しかし品質本位の仕事を望む層に対しては、フルサービス。高品質ドライと時にはウエット、仕上げも丁寧という、高級品、特殊品を対象にしたプレミアムコース。二極化には、両極のニーズに対応できる政策をとれる業者が生き残っています。

はっきり自社のカラーを決める!

2011年、米国のCL業界紙に「両極端思考は両極端を維持しないと経営が破綻する」という警告記事がありました。つまり、他社を意識して、低料金ながらシミ抜きやウエットをしたり、仕上げを丁寧にしたりと、低料金高コスト体質になる事と、高品質フルサービスでも周りを気にして、料金を落とすという低利益体質になる事は、言うまでもなく経営維持が困難になると言うものです。

こらから日本の業界は、本格的な淘汰の時代、いやまっただ中かも知れません。

安売り業者の6割はワイシャツですが、形態安定の技術は綿100%でもノーアイロンの所まで来ています。家庭用洗濯機が更に進化し、シャツの価格が下がれば、クリーニングへ出る量も半減するでしょう。残り4割のドライも更なるカジュアル化で減るのは明白です。両極端思考から言えば、次世代の超安売りは採算に合いません。これからは、「技術力の時代」衣料にお金をかけられる「こだわり層」が大事にしている『高級品や特殊品』に軸足を置くべきです。

利益率の高い「高級品と特殊品」を自社で洗え!

そんな「こだわり層」も、殆どがクリーニングに出して失敗された経験を持っています。「簡単な仕分けでクイック」型の工場、知識不足の受付がいる店は信用しません。彼らの多くは知識豊富な高学歴層です。そして彼らが望み探している店は、自社で高級品や特殊品を洗う技術がある店です。「こだわり層」は下請けが嫌いです。下請け=低技術と解釈しています。ですからこの利益率の高い高級品と特殊品を下請けに頼らず自工場で洗えば、「こだわり層」の信頼と原価で洗える高利益を、同時に得る事が出来ます。高級品や特殊品を自社で洗う技術を持てば、利用者はすぐ分かります。やがて店の評価も高くなり、店格も上がり、差別化も出来、その結果生き残れるのです。

 

高学歴な知識層も満足する、ロイヤルトーンドライシステム

スエードやレザーウエアー・毛皮類は勿論、上質のカシミヤやカシミヤと毛皮の縫い合わせなど、高級品や特殊品を中古ドライ機1台でほぼ自動生産!NASA

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