月別アーカイブ: 1月 2015

中京地区の中年と思われる、品の良い女性から電話を頂きました。大切にしているカシミヤコートを、初めてクリーニングに出したところ、独特の風合いが失われ、縮んだようにペチャンコになってしまったそうです。大型店のデラックスのクラスで依頼したのに、と落胆した様子でした。何か調べられないかと、業者向けではありますが、私どものHPをご覧になり、内容をすぐ理解されて、連絡を頂きました。一般的にどこのクリーニング店でも、カシミヤは特別(料金)扱いされますが、洗う溶剤は他のものと同じ、溶剤の脱脂力がカシミヤ本来の脂分と栄養分を消してしまいます。この手法で洗った後、静止乾燥や仕上げを丁寧にして「差」をつけても、カシミヤは硬くなってしまいます。でも、その女性にこう答えました。「ロイヤルトーンで洗えば、洗いと同時に天然型の動物性脂分と栄養分が得られ、糸に空気だまりが復活して、本来の軽くて暖かいカシミヤに戻ります。」と。事実、過去にクリーニング業者の方々から、同様な『弁償しろ!』とまでお客様に言われた「硬くてペチャンコになったカシミヤコート」を復元して差し上げた実績が、多数あるからです。

周りを見れば、個人店は無くなり、大手の安売りチェーン店ばかり。「大切にしているものを、一体どこに出したらいいの?」とお客様は困っています!でも、クリーニング業界は丁度村のようなもの、村内でしか情報交換をしない傾向な為、あっという間に、お客様の世代が変わり、着る物や価値観が変わっても、相変わらず○○セールです。ここの所の二極化で、高級品や特殊品が増え、これらをクリーニングに出したいお客様のフラストレーションがピークに達しようとしています。

「こんな店が近所にあったら困る!」

大阪では、品質重視の個人店でさえ、ついこんな本音が出てしまう。㈱フランス屋本部は、年商30億円程の大手でありながら、品質は徹底している。また、環境への負荷が少ない溶剤や材料を使うのが会社の信条で、フッ素をいち早く導入して、日本で初めてウエットを含む全品即日仕上げを始めた会社としても有名である。

2年程前、ロイヤルトーンドライシステムの導入を推進したのが、特殊技術開発や品質指導を担当する前田長氏だ。入社以来21年、様々な分野の仕事をこなし、機械保全の国家資格や職業訓練校の指導員免許まで制覇した努力家だ。革に関しも、自社処理の必要性を感じ、時間をかけて自分の足で各地を見て回り、環境にやさしく品質や作業性が良いロイヤルトーンドライシステムにたどり着いた。彼の前向きな姿勢は、始めて僅か2年足らずで、年間5,000点を達成せしめ、皮革分野の売り上げも2,000万円に届く勢いだ。しかし作業は現在、革の知識などまるで無かった主婦のパート従業員が、ほぼ一人でこなしている。ロイヤルトーンの化学力が全てをカバーしている証である。