月別アーカイブ: 4月 2018

ニューヨークの地下鉄に乗ると、黒いダウンやコート、黒のパンツ黒のバッグ、全て黒の服装が目立つ。米国では中間所得層が1980年には60%いたが、最近では40%にまで減少している。クリーニング総需要はざっと1兆円だが、人口も日本の3倍、つまり比率で言えば、同率という事になる。しかし、上位1%の富裕層が米国の金融資産の40%を持ち、上位20%の富裕層となると、なんと90%が彼らのもの。下位50%のアメリカ人はたったの2.5%しか持ってない。ニューヨークの集合住宅の地下には、大きなランドリールームがあって、22キロくらいのタンブラーが5~6台置いてあり、ドライの様に文頭の黒いコートなどが水洗いを終えクルクルと回っている。クリーニング総需要は同じでも、利益をもたらすターゲットは、勿論中間層以上という事になる。米国のクリーニング情報誌にも、「家庭洗濯を見据えた繊維品や洗剤の進化やカジュアル化には対抗する手段がない」とはっきり書いてある。日本も消費者が不思議に思うような低料金にしても、採算が合う訳もなく、顧客も独占出来ない。上位客の高級品や特殊品を、触れただけで違いが分かるような仕事を身に着ける事が重要だ。タグや不織布のカバーのみを変えて中身は同じという、詐欺的行為が公然と行われてる日本の業界は、既に世代が代った若い知識層にはお見通しだ。彼らの合言葉は、「どこに出せばいいの?」。